マルチガス高純度プラズマ

マルチガス高純度プラズマ

それぞれのプラズマ処理にとって理想的な
原子・分子組成の大気圧プラズマを生成することが可能

2008年に東京工業大学で世界で初めて開発された、大気圧マルチガス高純度プラズマ源です。

約1500℃~8000℃の高温高密度プラズマを生成できます。従来の熱プラズマ源では、基本的にアルゴンしか使用できませんでしたが、このプラズマ源ではアルゴンのほか、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、空気など様々なガスをプラズマ化する事ができます。電極を使用しないため、極めて高純度なプラズマを生成できます。また、液体の直接導入も可能です。

半導体プロセシングなど、従来のプラズマ処理は真空容器中の低気圧下で行われていますが、ここ数年、真空容器を必要としない大気圧プラズマの開発が注目を集めています。大気圧プラズマは真空容器の開閉を必要としないため、連続的な処理が可能です。また、従来の低気圧プラズマよりも高密度のプラズマを生成できるため、高速処理が期待できます。しかし、大気圧下でプラズマを生成することは原理的に容易でないため、これまでに開発されている大気圧プラズマ装置では、使用できるプラズマガスはアルゴン、ヘリウム、窒素などのプラズマ化しやすいガスに制限されていました。

開発したマルチガスプラズマ源では、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、空気やそれらの混合ガスを安定的に熱プラズマ化でき、一つの装置でこれだけ多種多用なガスを大気圧熱プラズマ化できる装置は世界で唯一です。また、二酸化炭素の大気圧熱プラズマ化も世界で初めて実現しました。

◆ マルチガス高純度プラズマの特長:

(1) アルゴン、ヘリウム、窒素のほか、従来は困難であった酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、空気やこれらの混合ガスも、一つの装置で安定に大気圧プラズマ化することができます。
(2) プラズマ生成中にガスの混合比を変更することが可能です。
(3) プラズマ源は電極を使用しない誘導結合方式であるため、プラズマ中に電極材料が混入せず、高純度なプラズマを生成できます。
(4) プラズマ中に液体を直接導入することが可能です。
(5) このプラズマ源を採用した開発装置は、大気圧下で任意の気体を用いてプラズマを生成し、その中に任意の材料を混合させることが可能です。

これらの特長により、それぞれのプラズマ処理にとって理想的な原子・分子組成の大気圧プラズマを生成することが可能になります。つまり、処理速度の向上、生成物質の精度向上、材料の低減による低コスト化が期待できます。また、大気圧下での高速半導体プロセシング、CVD、液体・気体の直接分解処理、ナノ粒子製造、超高温焼き入れ、表面酸化処理などへの応用が期待できます。

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