闇夜は眼でなく脳で見ろ!
Night Surround Vision

人間は、眼に入ってきた光を網膜が刺激としてとらえ、 この刺激を脳が処理することで「ものが見えた」という認識をします。

NSV Systemは網膜への刺激と脳の処理の両方を活性化させることで、 夜間の視認性を劇的に改善する画期的な技術です。このページでは、その秘密について解説します。

RED
明順応しにくい光

動物の目には「虹彩」と呼ばれる、明るさの感じ方を一定にする器官が備わっており、無意識のうちに、眼の感度を調整しています。

明るい所では虹彩を絞り感度を下げることでまぶしさを抑え(明順応)、暗い所では虹彩を開き感度を上げることで、少ない光でも物体の認識ができるようにします(暗順応)。

問題は、目の感度を下げるのには1分程しかかかりませんが、感度を上げるには30分~1時間という、比較的長い時間がかかる点です。つまり、暗闇で物を見るときに、むやみに明るい照明を使うと、目の感度が下がってしまい、余計に物が見えづらいという悪循環に陥ってしまうのです。

特に、輝度が高く、集光特性の良いLEDライト(スポットライトのようなもの)の場合、光が当たっている部分に適応するよう、強い明順応が起きるため、光が当たっていない部分はほぼ何も見えていない状況になります。

加えて、ライトをOFFにした直後には、すべての視野における視界がほぼ完全に奪われてしまうため、特に野外の活動においては、安全面で非常に深刻な状況になってしまいます。

幸いなことに、明順応のしやすさ・しにくさは光の色によって程度が異なり、赤色の光は最も明順応しにくい光、とされています。

星の観察や夜間の昆虫採集の際に、懐中電灯に赤いセロファン紙を被せるのはそのためです。

また、潜水艦の照明は、有事の際の暗転を想定して、常時から赤色の照明を多用しています。

そこで、NSV systemでは、幅広い範囲を照らすあかりとして赤色の光を採用しました。

これにより、暗所でモノを認識し、安全に行動するための必要最小限の光量を確保しつつ、 一方で、暗順応状態を保つ、いわば目の感度を最大限に高めた状態をキープし続けることができるのです。

ただし、赤色の光しか放射していませんので、単色(モノクロ)の世界になってしまいます。しかし、人間の脳にとっては、それが、とても好都合な状態とも言えるのです。

TRICK
脳にとって見やすい環境

網膜に到達した光は、電気刺激となって脳に伝えられ、脳の中で複雑な処理をされた後、ようやく「見えた」という認識(=認知)になります。

ここで重要なのが、「目に光が入った」のと「見えた」のとは違う、という点です。

人間は何かを集中して観察しているとき、その対象については多くの情報を、かなりのスピードで認識・処理を行うことができます。

一方で、集中の対象外の領域は、目には入ってきてはいるが脳が認識していない状態、いわゆる「見落としている」状態になりやすいことは、誰しも経験があることでしょう。

これは、限りある脳の処理能力を一極集中させることで、より高いパフォーマンスを得るための脳の正常な反応なのです。

すなわち、

  1. 観察したい対象が、その他の部分より際立っていれば(目立っていれば)、より早くその対象を認知することができ、より高いパフォーマンスで観察することができる
  2. 一方、観察したい対象の周囲に、たくさん目立つものが存在すると、注意力が散漫になるため、見落としが多発し、高いパフォーマンスでの観察が不可能になる

ということです。

こうした人間の視覚と脳の特性を活用した例は、日常生活でも随所に見られますが、おそらく近年で、 その特性をフル活用し、視聴者に強烈な印象を与えることに成功した最高傑作が、1993年公開の映画「シンドラーのリスト」です。

「パートカラー」と呼ばれる表現技法で、全編モノクロの映画でありながら、この少女の服だけが赤色で表現されています。もし、彼女もまた、他の登場人物と同じモノクロで表現されていたなら、他の雑踏に紛れてしまい、視聴者は誰一人として彼女に気づくことなく、彼女の行く末が物語の中でどうなってしまうか、など気にも留めなかったことでしょう。しかし、スピルバーグ監督は、彼女の赤い服だけカラーで表現することで、彼女身の上に起こる悲惨な末路を、何ら言葉で説明することなく、言葉で説明する以上に強烈に視聴者の心に刻み込むことに成功したのです。

通常の白色光を放つ懐中電灯は、闇を色鮮やかな世界にすることができますが、半面、何か一つの対象物を探し出したりするには不適であることにお気づきいただけたと思います。

暗所で視認性を高めるためには、単色(モノクロ)の世界に、一色だけ目立つ色を配置すればよいのです。

  • 色彩豊かな世界

    あらゆる色の判断認知に脳のリソースが分散している

  • 単色の世界

    形の判断・認知にのみ脳のリソースが
    使われリソースが余っている

    他のが入ってきた時にいち早く強烈に印象づく

そこでNSV systemでは、蛍光物質で着色された釣糸に、Deep Blue LEDの光を照射し、糸を蛍光色に発光させることで、疑似的に「パートカラー」の状態を作り出しています。Deep Blue LEDにより照射された蛍光物質は、鮮やかな蛍光色、例えば蛍光イエローや蛍光オレンジの光を自ら発します。

一方、Deep Blue LEDの光は人間の目には非常に感知されにくいことから、あたかも、暗蛍光物質で着色された釣糸が、暗闇の中で自ら発光しているかのように浮き上がって見えるのです。

また、Deep Blue LEDから放たれる光は、人間の目には感知しにくい光なので、比較的高い輝度で発光させても、明順応が起きにくい、という特徴があります。

NSV system

赤色の光を用いることで、

  1. 人間の眼が明順応しにくい光で周囲の全体像を照らし出し、同時に
  2. モノクロの世界を作り出します。同時に、Deep Blue LEDを用いて、
  3. 蛍光物質でマーキングされたものを鮮やかな蛍光色を発光させます。

暗闇において人間の目が暗順応し、

  1. 非常に眼の感度が高くなっている状態で、
  2. モノクロの世界に、
  3. 色鮮やかな蛍光色は、非常に目立つため、劇的に視認性が向上するのです。

眼で見えやすく、脳にも見つけやすい環境、それがNSV systemなのです。

PRODUCT

株式会社サンラインより 夜釣り用のヘッドライトとして発売が決定しました。

LEDの普及に伴い、夜釣り用のヘッドライトは競って光量を求め発展しました。

しかし、移動中や仕掛け作りの際に点灯し、釣りの最中は消灯する、明/暗転を繰り返す環境では 人の眼が暗闇に順応することは到底できません。

ましてや、釣り糸などの細い物体など、感度の下がった眼ではみつけることができません。

そこで、NSV systemを応用したヘッドライトを開発しました。

眼の感度を損なわずに、脳にとって糸を見つけやすい環境を作り出すことに成功しました。

また、株式会社サンラインでは NSV Systemに最適化した釣糸を開発中です。

暗闇でも 竿のガイドに糸を通しやすく、糸を結びやすい

  • 白色LED

  • NSV

白色LEDでは、竿のガイドは見えますが細い糸はほとんど見えません。竿の先端に向かうほど小さくなるガイドに糸を通すのは、暗闇では面倒な作業です。

NSV systemでは、竿のガイドも糸も両方とも見えるため、簡単に糸を通すことができます。同様に、糸を結ぶ場合も、白色LEDよりも糸が見え易く、簡単に結ぶことができます。

そして、このような準備が終わっても、眼の感度が損なわれていないため、すぐに釣りを開始することができます。

白色LEDで作業し明順応した状態では、暗い水面を観察することもできず不利なばかりか、暗がりを移動する際には危険を伴います。

糸の軌道やテンションを捉えやすい

白色LEDでは、照射部分が明るい反面、糸の軌道はほとんど認識することができません。

更に、照射部分の明るさに順応し眼の感度が損なわれる為、照射部分以外は見えなくなってしまいます。

NSV systemでは、糸の軌道を認識すると同時に、眼の感度を高いまま保つ為、周囲も見えるのです。同様に、糸のテンションを容易に確認できるので、コントロールがし易くなります。

海側を向いたまま作業できる

白色LEDを使う釣り人の多くが、海面を照らさないように海に背を向けてライトを点灯します。しかし、不規則に高い波が押し寄せる海に背を向ける行為は大変危険です。

NSV systemでは不必要に光量を必要としない為、海に背を向けることなく仕掛けづくりなどの作業をすることができます。

また、蛍光色や蓄光色のワームやジグヘッドを落としても、簡単に見つけることができます。紛失や、釣り場にゴミを残す心配がなくなります。